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第三帝国の興亡(コマンド・マガジン日本語版101号)

 シミュレーション・ゲーマー(以下SG)のすべてが、果たして、コマンド・マガジン(以下CMJ)及び、ゲーム・ジャーナル(以下GJ)を購読しているのでsしょうか? 
 ふと、こんな疑問が、わいて来たのは、つい最近の事では、ありません。

 OASE新潟に所属している私と安達さんは、購入していますが、安達さんは、どちらかと言うと、ドイツゲーム派です。
 長岡ポーカー&ブリッツ所属の3名は、全員、気にいった号しか購入していません。
しかし、WWⅡの作戦級ゲーマーの私から見ると、今ひとつ、物足りません。

 私は、せめて、CMJの付録ゲーム程度のゲームをプレイしたいと思っているのですが、ルールを互いに熟知していないと、1日で、終わるのは、難しいです。
 そこで、全国的にも、SGでありながら、CMJも、GJも、購読していない人が、結構、存在するのではないかと思い、今回CMJ101号「第三帝国の興亡(以下TR)」のルールについて、解説しようと思います。
 
 まず、このTR、高梨俊一氏の「ドイチェラント・ウンターゲルト(DuG)」、「第二次世界大戦(WWⅡ)に、続く3作目のヨーロッパ・キャンペーン・ゲームであり、北はスカンジナビア半島全域、西はアイス・ランド、南はケニア、南東は、ソマリ・ランドと言う、今まで、観た事が無いほどの広範囲を、マップに収めています。

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 ルール的にも、DuG、WWⅡの影響を色濃く、受けています。
 まず、ユニットのレーティングです。
 
 独軍は、ゲーム開始時、4-6ですが、1度、戦闘で、除去されると、再登場するのは、3-6という、ダウン・グレードしたユニットです。

 反対に、英米軍は、最初、3-6ですが、除去されて、再生産された時は、4-6と、アップ・グレードされています。

 このあたり、WWⅡの影響を受けていますが、ドイツ軍は、1942年春から、毎ターン1ユニットずつ、ダウン・グレードする、所謂、質の低下が始まり、英軍は、1度、4-6ユニットが、除去されると、再生産不可能というイギリスの人的資源の枯渇を表現しています。
 又、米軍は、1943年秋から、毎ターン1ユニットずつ、3-6から、4-6へのアップ・グレードが、始まります。

 次に、生産ポイントです。
 例えば、ドイツは8、イタリアは2と、WWⅡと同じですが、一度、除去された陸軍ユニットは、まず、動員ボックスに置かれます。

 そして、次のターン、生産ポイント1を消費して、編成ボックスへ置かれ、次のターン、もう一度、生産ポイント1を消費して、マップ上に、「非活性状態」で置かれ、さらに、次のターン、さらに、生産ポイント1を使用して、ようやく、「活性状態」のユニットになれるのです。

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 このゲームでは、ユニットが、一度、戦闘を行うと、「活性状態」から、「非活性状態」へと、戦闘力が、半減しますので、一度、ゲームから、除去されたユニットが、再びマップ上で、作戦行動が、出来るまでに、回復するのに、3ターン(9ヶ月)も、かかるのです。

 このあたり、BRP(生産ポイント)を消費すれば、次ターンに復活するAH「第三帝国」と大きく異なります。
 先にも、述べた通り、このゲームは、「非活性状態」になると、戦闘力が、半減しますので、敵の反撃からは、非常に、もろい状態になります。

 例えば、ドイツの生産力は、8ですが、東部戦線で、ユニットが、除去されなくても、8ユニット以上が、「非活性状態」になる様な大作戦を実行すれば、たちまち、戦線に、綻びが、生じる事が、わかると思います。

 しかも、このゲームAH「第三帝国」と異なり、敵国を支配しても、生産ポイントの上昇は、ありません。
 (米ソのみ、大戦が、進むにつれて、生産ポイントが、上昇します。)
 
 又、エチオピアに存在する伊植民地軍の様に、植民地軍の大半は、再生産不可能となっています。
 
 マーカー扱いの海軍も、連合軍と枢軸軍とでは、一部扱いが、異なります。
 双方、「動員ボックス」に存在するので、1マーカー使用するのに、生産ポイント2と半年間と言う時間が、必要ですが、連合軍のみ、上陸作戦時に、海軍マーカーが、6戦闘力の支援が、あります。

 1マーカーが、輸送出来る陸軍ユニットは、1ユニットのみですが、3~4戦闘力に6戦闘力の支援力は、非常に、大きいものです。

 ちなみに、枢軸軍には、上陸時の支援能力は、0戦力です。
 ただし、海軍マーカーは、一度使用すると、戦闘結果に関わらず、「動員ボックス」に、戻ってしまうので、米軍と言えども、、やたらと、上陸作戦が、実行出来る訳では、ありません。


 このTRの勝利条件は、各都市に、定められたVPを合計して、「累計VP」とし、ターンごとの史実の「歴史VP」と比較して、両者の差で、勝者と勝利段階を、決定しています。
 よって、東アフリカ、北アフリカの様な僻地も、占領しなくては、いけません。
 アフリカ・中近東の都市は、すべて、1VPですが、トルコ・マルタを含めると、全部で、20VPにも、なるので、無視できないのです。
 それに、ベネルクス3国やデンマーク・ノルウェイの首都も、1VPなのです。

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 大戦初期には、独軍のお家芸「電撃戦」を表現するルールも、あります。
 これは、ユニットの密度の濃いヨーロッパ方面に、適した作戦ですが、大戦が、進むに連れて、効果の無くなっていくものです。

 まず、独軍は、「電撃戦マーカー」(最初は、当然1、最高は6)を見て、ダイスを1個振ります。
その目が、電撃戦マーカーより大きければ、自動的に成功(6の時は、6の目のみで成功)ですが、出目が、偶数であれば、「電撃戦マーカー」を1上昇させます。
 
 例えば、1番最初は、「電撃戦マーカー」は、1ですが、独軍プレイヤーは、4の目をだしました。
 「電撃戦マーカー」は、2に、上昇し、次からは、2の目以下では、「電撃戦は、起こりません。
 これは、ソ連を含む連合軍が、次第に、電撃戦の対応策を取っていった事を反映しています。

 電撃戦の威力は、絶大で、例えば、英軍3-6軍団が、スタック(このゲームのスタック上限は、2ユニット)
しているフランスに、独軍4-6軍団のスタックが、電撃戦を仕掛けたとします。
 
 もし、成功したならば、英軍ユニットは、戦闘力半減(端数切り捨て、つまり戦闘力1)となり、独軍は、4のまま進軍して来ます。
 スタックしてても、戦闘比は。8:2=4:1となり、このゲームにおける最高戦闘比になります。
 

 これは、「保持作戦戦闘結果表」では、50%の確率で、除去、33,3%の確率で、モラル・チェックです。
 ただし、電撃戦の場合のモラル・チェックは、ダイスの目に、2をプラスします。
 モラル・チェックは、ダイスを振り、そのユニットの戦闘力以下の目を出さなければならないので、事実上、除去です。
 さらに、電撃戦は、1ヘクス前進し、同様の戦闘を、もう1回出来るのです。
 こんな、マップ・スケールの大きなゲームで、ユニットの密集しているヨーロッパ戦線で、実行されたら、どれだけの破壊力を持つか、わかるでしょう。

 
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 又、TRは、戦闘結果表が、3種類もあるのが、大きな特徴です。
 「保持作戦」・「遅滞作戦」・「反撃作戦」である。
 「保持作戦」は、現状維持を望む時に、多用され、双方に、モラル・チェックが、多発します。
 「遅滞作戦」は、土地を犠牲にして、ユニットを温存したい時に、使用します。
 「反撃作戦」は、文字通り、反撃を中心にするため、ブラッディーなCRTになっています。

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 先の電撃戦の時は、防御側モラル・チェック(Dm)は、事実上、防御側壊滅(De)と同じ内容のため、「反撃作戦」用CRTを使用するのが、普通です。
 又、ソ連軍は、その軍事的ドクトリンを活かすために、1942年春まで、「遅滞作戦」を使用出来ません。

 又、TRには、上級ルールとして、「戦略兵器カード」と言うものが、あります。
これは、戦略兵器の開発を表現するルールで、毎ターン、両陣営で、生産ポイントによる「戦略兵器」カードの入札が、実行されます。

 「戦略兵器カード」には、「戦略爆撃」、「通商破壊」、「空挺作戦」等があり、独軍のクレタ島降下や英米軍の「マーケット・ガーデン作戦」には、「空挺作戦」カードが、必要となります。 
又、「技術革新」カードを引くと、今までの「戦略兵器カード」は、技術革新により、すべて、陳腐化したものとして、捨て札となり、シャッフルして、新しい山札を作り、最初から、引き直さなければ、なりません。

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 最後に、このゲームは、史実と同じになる1939年シナリオと、ミュンヘン会議から始まる1938年シナリオが、あります。
 1938年シナリオは、規定ターンになると、ダイスを振り、その出目によって、当時、起こり得たかも知れない状況、つまり、ゲームの展開が、史実と、異なる展開に成り得た可能性を、秘めています。

 以上、大雑把ですが、TRのルールを説明して来ましたが、AH「第三帝国」より、はるかに、簡単なルールで、第二次欧州大戦の全域をプレイ出来るので、機会があれば、ぜひ、プレイしてみたいゲームです。

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